【レビュー】新シーズン開幕!川崎VS浦和【三連覇へ苦しむ王者と結果を義務付けられた3年目】

こんちゃちゃです。ただのサッカーファンです。

富士ゼロックススーパーカップ改めFUJI FILM SUPER CUPがありましたね。今年から名称が変更になったそうです。

この大会、前年のJリーグチャンピオン天皇杯王者、一体強いのはどっちなんだい?というのを決める試合でもあり、Jリーグの新シーズンの合図ともいえるこの試合。

そんな試合を戦うのは圧倒的な強さを見せ、そのままの勢いで優勝を決めた川崎フロンターレと劇的なゴールで見事天皇杯を制した浦和レッズの試合でした。

結果を言うと、

0-2で浦和レッズの勝利で終わりました。

そんな試合でしたが、なぜ浦和レッズは勝利を収めることができたのか。そして川崎フロンターレはどのような課題があるのかわかった部分があり、非常に面白い試合でしたので図を交えて解説していこうと思います。 最後まで読んでくださると幸いです。

 




 

スタメン

川崎フロンターレ

川崎フロンターレのスタメンは流石の布陣としか言いようのないメンバーだ。

GKにソンリョン。DFに左から登里、車屋、谷口、山根。アンカーにシミッチ。インサイドハーフに大島と脇坂。FWに左から新加入のチャナティップ、ダミアン、家長。

スタメンに名前を連ねていない主力組は主に大けがしているジェジエウ、橘田、宮城あたりだろうか。特にジェジエウと橘田不在の痛さを筆者は感じた。

浦和レッズ

対する浦和レッズのスタメンはこれだ。

GKに西川。DFに左から馬渡、ショルツ、岩波、酒井。ダブルボランチに岩尾、柴戸。左サイドハーフに伊藤。右サイドハーフに関根。2トップに江坂と明本が入った。

驚いたのがユンカー、若き司令塔の小泉、新加入の岩尾がベンチ外ということ。

 

試合内容

浦和側

お互い久しぶりの公式戦ということですし、様子見だろうなと考えていたのですが、筆者の予想は大きく外れました。立ち上がりから浦和レッズは攻勢を強めました。

開幕で注目したいのは浦和レッズの守備で川崎フロンターレの後ろから繋ごうとするサッカーに対して浦和レッズはダブルボランチを1枚前に出すことでアンカーをつぶしにいきました

そうすると結果として2枚のインサイドハーフに対して岩尾一人が対峙することになるのだが、基本的にサイド逆サイドのサイドハーフが絞ることである程度は解消している。しかしながら岩尾が前半に関してはMVP級の活躍だった。守備時のオフザボールで川崎のインサイドハーフ二人を消していた。

また前半17分以降は先取点を浦和が獲得したことも相まって、だいぶ前からハイプレスをかけることをやめ、リトリートで守備していく場面が多くなったが、あそこで浦和の最前線二人が多くの回数スプリントさせられているようにも見えたのでスタミナを心配していました。

2得点目はもう見事なカウンターだった。江坂が谷口をあれだけあっさりかわせるとは思っていなかったため非常に筆者は驚きだった。

後半のMVPは個人的には柴戸。酒井柴戸のサイドを攻略することは最後まで川崎は不可能だった。後半になって大島がアンカーに落ちたことによって、岩尾が攻略されてしまい、1人で2人のインサイドハーフを持つことは不可能なものとなってしまった。その結果、ゴール脇にインサイドハーフが侵入される回数が多くなった。そこで浦和は3ボランチを採用することで抑えていた。

その結果、川崎フロンターレに対してチャンスというチャンスをほぼ作らせずに勝利を収めることができた。

川崎フロンターレ側

逆に川崎フロンターレは浦和レッズのハイプレスにやられてしまい、後ろから前へ運ぶことが限定されてしまった。

特に前半は浦和の岩尾の影響で中心を完全に封殺されてしまった上に、左サイドは奥行きを使う選手もいないし、酒井宏樹には勝てないという状況で事実上左サイドも攻略が厳しいものとなってしまった。その結果、右サイド以外に攻撃する方法がなくなり、家長を中心として打開するしか選択肢がなくなってしまった。

川崎は後半に選手を変えたことで対応した。シミッチに代わりマウシーニョを入れたことで、チャナティップがインサイドハーフに位置に下りて、大島僚太がアンカー、マウシーニョが左ウィングになった。

この結果として、岩尾を封殺することができた。なぜならアンカーの位置に下りた大島がスーパーな存在であることが起因している。シミッチでは出せないパスを大島であれば出すことができる。これによって岩尾を抑えることができた。

しかしながら、この中盤3枚であればどうしても強度の面で不安がある。かなり賭けに近いと筆者は感じた。もしも、橘田がいたら・・・と筆者は考えてしまった。筆者が考えるに岩尾を抑えることができたのは川崎フロンターレの選手の中で大島僚太、橘田の二人だ。橘田がいれば、ここまで強度を落とすこともなかっただろうし、そもそも前半であれほど岩尾を好き勝手させてなかっただろう。橘田の存在の大きさを筆者は感じた。

2失点目に関してはジェジエウの不在の大きさを感じていた。
カウンター時のフィルターとして大きな活躍をしていたジェジエウがいないことでカウンター時の耐久力が落ちてしまっている。

正直に言うといいところよりも悪いところが大きく目立ってしまったなと川崎フロンターレに対しては感じる。




 

これからの川崎フロンターレ

筆者が考えるに相当難しい問題に今川崎フロンターレは直面していると感じる。4-3-3をするのであれば、中盤の強度を求めないといけない構造になっているが、実際問題中盤の強度を求められていて完璧にこなすことのできた、旗手玲央であったり、田中碧であったり、守田英正はもういないし、三笘のような左サイドに個人で破壊していける選手も現時点でいない。

3枚の中盤には橘田、脇坂確定枠の大島か、瀬古、チャナティップの争いかなと思う。強度を高めたいのであれば瀬古だし、大島は鬼木監督のサッカーを知っている上にスーパーだし、チャナティップは中央で活きる選手だし。筆者的には瀬古がこの中なら優先度は高い。

最大の問題点としては左ウィングだと考える。筆者はマウシーニョを推すが、これから川崎フロンターレに適応していったらチャナティップもありかもしれない。使い分けが大事になってくるだろう。

後はもうフォーメーションを変えればいいのではないかとも思う。鬼木監督はどのように考えているのか、開幕節から川崎フロンターレを楽しみにしている。

まとめ

・浦和のハイプレスによって前半早々から浦和が得点をゲット。

・浦和は得点後、家長にキープされる時間が増えていってリトリートで守備をする時間が増えた。

・川崎は家長のいるサイド以外を完封されて家長頼りに。

・前半は終始岩尾が抑えていた。

・後半大島をアンカーにして岩尾を抑えることができたが、逆に中盤の強度がもろくなった。

・密集攻撃後のカウンターのフィルターがジェジエウ不在によって薄くなってしまった。

・橘田、ジェジエウの復帰が待ち遠しい

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